ただの一瞬の大きな不安


 −愛のカタマリ−


 空もオレンジ色になった頃オレは家までの道を歩いていた。
 今、俺の顔はきっと世界中の誰よりも暗い顔。
 さっき友達と喧嘩した時に言われた言葉が耳に響いてる。

 『お前の父ちゃんと母ちゃんなんて
 お前が生まれたから結婚したんだろ!!』

 言い返せなかったのが悔しかった。
 『違う!』の一言が咽喉に使えて出てこなかった。
 オレは二人の顔を思い浮かべて深い溜息を吐いた。

    *    *    *    *

 翌日オレはいつものように洗濯物を干してる
 たまおねぇちゃんに尋ねた。

 「たまおねぇちゃん」

 「なんでしょう?」

 「なんで父ちゃんと母ちゃんは結婚したの?」

 「う〜〜ん・・・・いろいろあったんですよ。
 けど葉様はアンナ様を、アンナ様は葉さまを
 愛していらっしゃいましたから」

 『花様には難しかったですね』と軽く笑った。

 「ふ〜〜ん・・・・・」

 「どうしたんですか?花様」

 腑に落ちない返事をするオレに
 たまおねぇちゃんは首を傾げる。

 「なんでもないっ」

 オレは狭い廊下を駆けていった。

 古びた襖に手を掛ける。
 開くと母ちゃんが父ちゃんに凭れる形で休んでいた。
 オレは二人の前に腰を下ろした。

 「なぁ、父ちゃん母ちゃん。なんで結婚したんだ?
 オレが生まれたから?」

 「はぁ?」

 気の抜けた父ちゃんの返事にムカッとする。
 そして父ちゃんは『ん〜〜〜』と唸りながら頭を掻いた。

 ―――――やっぱりそうなんだ・・・・・

 そう思ったとき母ちゃんが口を開いた。

 「あたしたちが結婚したのは確かにあんたが生まれたからよ」

 「おいアンナ」

 「けど誤解しないで。
 あたしたちはちゃんと愛し合っていたもの。
 勿論今もよ?
 それに花がお腹にいると知ったときとても嬉しかったわ。
 怖くもあったけどそれ以上に嬉しかったの。
 だから今花が生まれてきてくれて
 本当によかったと思ってるのよ?」

 オレの髪を優しく撫でながら母ちゃんは言う。
 難しくて今のオレにはよくわかんなかったけれど、
 なんか嬉しかった。

 「じゃあオレは生まれてきてもよかったの・・・・・?」

 「何言ってるんよ、当たり前だろ?」

 いつものユルい父ちゃんの声がオレの不安を掻き消した。
 自分がいてもいいと力強く肯定されて、
 オレは不覚にも泣いてしまった。

 「ホラ花、泣かないの。男の子でしょう?」

 抱き上げてくれた母ちゃんの腕は温かくてオレは目を閉じた。
 目が覚めたとき父ちゃんも母ちゃんも笑って
 『おはよう』と言ってくれるんだろう?

 

 END

 

 花坊メイン。
 もぅ二人の愛の結晶と思うと
 花坊が可愛くてかわいくてなりませんvvv
 旦那似の容姿と嫁似の賢さはまさに夫婦の子!!!
 あぁ・・・・妄想が広がります・・・・・vvv