甘いモノはいかが?


 −Happy&Mapleー

 

 「ほい、アンナ」

 そういって葉から渡されたのは、
 あたしの手の平に丁度収まるほどの小さな箱で、
 丁寧なラッピングが施されていた。

 「何これ」

 訝しげに聞くと、
 葉はほんの少しだけ顔を赤くして頭を掻いて照れている。

 「ウへへへ、今日はバレンタインだろ?だから」

 「はぁ?普通逆じゃない?」

 「でも本当のバレンタインってのは
 好きなヤツにプレゼントを渡す日らしいぞ?」

 「あぁ・・・またまん太に吹き込まれたのね」

 はぁ・・・・と呆れて溜息を吐くと葉は身を乗り出してきた。

 「なぁ、アンナはくれないんか?」

 拗ねたような企むような不安げな目で尋ねてくる。

 「あたしが何も用意していないとでも思ったの?」

 「え、じゃあ・・・」

 「ついてらっしゃい」

*      *      *

 立ち上がり向かった先は台所。
 アンナに座るように言われて従うと、
 アンナはオイラがいつも着けているエプロンを着けた。
 それだけなのになんか新鮮で、
 オイラの頭の中を色々な如何わしい・・・・・健全な
 青少年の考えが駆け巡った。
 しばし焦っていたオイラだが、
 一定のリズムでチョコを刻む音と
 沸騰と知らせる音が響き始めたことに気付く。
 目を閉じるとそれらは心地よく頭に響く。
 思わず眠ってしまいそうな心地よさの中で名前を呼ばれた。

 「はいお待たせ」

 目の前に置かれたカップの中には茶色の液体。

 「なんだこれ」

 「チョコレートよ。
 本来チョコレートって言うのは飲み物だったのよ」

 「ふ〜ん」

 手にしたカップは少し熱い。
 冷ましながら口にすると甘い味が柔らかく広がった。

 「・・・・うまい・・・・」

 「そう?」

 「ありがとな」

 「どういたしまして。ところで旦那様?おかわりはいかが?」

 オイラはきょとんとした表情を見せると、
 アンナは企むような笑みを見せた。

 ―――――あぁ、そういうことか。

 「もちろん頂くぞ」

 プレゼントならこっちの方がいいと思いながら、
 残りのチョコレートを飲み干して、
 まだまだ続くであろう甘い時間を頭に巡らせた。

 

 END

 

 毎度恒例のフリーでございます。
 コレupするのしっかり忘れてましたヨ!!
 ボケってイヤね〜。
 まぁ皆様幸せなバレンタインをお過ごしくださいませv
 因みに私は寂しいバレンタインです(笑)