あの人は今・・・・。


 −春うらら−

 

「君ぃ〜〜〜のひと〜〜〜〜〜ぅみぃがぁぁ〜〜〜〜〜〜〜」

 パッチ村のとある宿舎で
 バンジョーを掻き鳴らしながら歌うのは、
 巫力125万の自称未来王。
 傍から見ればただの迷惑行為でしかないのだが、
 当の本人はそれに気付いていないので、
 性質の悪いことこの上ない。
 十祭司にでも処分してもらいたいところだが、
 その肝心の十祭司もヤツには関わりたくないのか、
 見て見ぬフリをするのが現状である。
 そしてそのために多大なる迷惑を被っている者が二人。

 「あいうぉんちゅぅ〜〜・・・・・・・」

 バンジョーの音と共に訳のわからない歌が止み、
 辺りには元に静けさが戻る。

 「どうだい、アンナ?僕が君のために作った歌は。
 素晴らしかっただろう?」

 勘違いもいいところである。
 そしてそのアンナと呼ばれた少女は、
 いつもどおり旦那様との甘〜い一時を過ごしていて、
 ★の歌などこれっっっっぽっちも聞いていない。

 「ちょっと葉、動かないでよ。危ないでしょ」

 「んお?」

 「あ!ちょっ・・・・・やぁ、くすぐったいわ」

 クスクスと笑う少女とその少女の腰に腕を回す少年。

 「だってよ〜、アンナ柔らかくって気持ちいいんだもんよ」

 「バカなこと言ってないで、ホラ、耳掘れないでしょ」

 「う〜〜い」

 この夫婦のやり取りを
  物欲しそうにジーーーっと見ていた★は、
 はっと我に帰り、夫婦の元でダダをこねる。

 「アンナ!ズルイじゃないか!葉だけなんて!!
 双子なのになんで葉だけなんだい!!?
 僕にもしてよ!!し〜〜て〜〜よ〜〜〜!!」

 バンジョーに潰されながら畳に寝転び、
 手足をジタバタさせる★に、
 夫婦は完璧なる無視を決め込んでいる。

 暫くの間見ている方が照れるような
 甘甘な時間を過ごしていた二人だが、
 やはり★の煩さには耐えかねるものがあったようだ。
 少年は立ち上がると、
 玄関のほうにある電話へと足を向け、
 慣れた手つきで番号を押す。
 呼び出し音が数回なったあと、
 今となってはもう既に聞きなれた男の声が聞こえてきた。

 “はい”

 「あぁ、オイラだが・・・・・」

 “葉様っ?もしやまたですか!?”

 「そうなんよ。さっきっからダダこねて煩くて敵わないんよ。
 引取りに来てもらえんか?」

 “はい!只今!まったく今朝からお姿を拝見しないと思ったらまた・・・・・・”

 少年は電話を切ると、
 愛しい少女の元へ行き、
 その少女に手を出そうとしている★に
 素早く笑顔で回し蹴りを入れ、
 何事もなかったかのように少女を後ろから抱き締める。

 数分後、変わった形のひげ男と、
 長い金髪の美少女が丁寧に菓子折りを持って訪れた。
 二人が★を差し出すと、
 金髪の美少女は★に縄を掛け、
 顔面を引きづるようにして(って言うか引きづって)
 帰っていった。
 春も麗らかな日に起きた、
 ちっちぇちっちぇ出来事だった。


 END

 古典と生物と英Wの試験の余った時間で書いたんですよ。
 つまり落書きですね。
 なんとなく書いたら止まんなくて・・・・。
 しかしギャグは難しいですね〜。
 書ける方尊敬します。マジで。