『人間は醜いな』
 『えぇ・・・・でも、綺麗でしょう?』
 『・・・・・あぁ、そうだな・・・・・』

 −彼岸に咲く月−


 先程の騒ぎの欠片すら留めぬほどに静まり返った夜。
 オレは寝苦しさに身を起こした。
 少し汗ばむ身体を覚まそうと、
 階下へと降りた時、縁側に座る小さな背中に気がついた。
 オレは無意識のうちに近づき、隣に腰を落としていた。
 月を見ながら隣に居る存在を盗み見る。
 蜂蜜色の月を同じ色をした髪が、
 キラキラと月明かりに反射し、風に靡く(なびく)。
 オレは静かに口を開いた。

 「似ているな」

 「え?」

 「貴様は月に似ているな」

 無表情にオレを見る女にオレは続けた。

 「とても冷たく儚いものなのに、
 どこか優しく、なくてはならない絶対的な存在だということだ」

 「・・・・・それ、褒めてるの?」

 「さぁな」

 嘲るようにして嗤う(わらう)と女は月へと目を戻した。

 「・・・・・綺麗ね・・・・」

 頬の筋肉を緩ませ、滅多に見せない表情で立ち上がり、
 月へと歩み寄る姿はどこか消えてしまいそうな雰囲気を
 漂わすものだった。
 抱き締めたい衝動に駆られ、腕を伸ばした時、
 女は振り向き静かに言った。

 「あんたのその魂(すがた)も綺麗よ」

 女は家に上がると『オヤスミ』と
 小さな足音だけを残していった。
 もどかしく宙を掻いた手を握り締め、
 嗤い、再び月を見上げた。

 END

 初・蓮アン〜。
 ありきたりでスミマセン〜><
 なんかこの二人って似てますよね〜。
 だからかな、なんか書きやすかった。
 書きやすくてこれかよ!なんてツッコミ受けませんからvv
 最近夫婦の甘甘を書きてない気が・・・・・・。