もう  仕方のないコトだから


−二人の形−

 

「ほい」

コート越しにベンチの冷たさを感じ始めたとき、
葉から手渡されたココアの温さに肩の筋肉を緩めた。
はぁ…と息を吐くと缶の縁が白く濁りそれはすぐに消える。


「そういえば…」

「何?」

「お前あん時もココアだったな」


コーンスープを啜り葉が隣りに腰を掛けると、
ペンキの剥れたベンチはぎしりと鳴りあたしたち二人を支えた。
二人の間に手を置くとざらついた塗料が手を汚す。

あれからどれだけ経ったのだろう。
あの時も暗い夜に二人でこうして並んで座った。
思い返すとどんなに辛くても寂しくてもどうしようもなかった気持ちを思い出させた。
冷えた手に慣れた掌が重ねられた。
目を瞑りそっと葉の肩に頭を寄せると耳の奥で血液の流れを感じて、
髪の先から下がり切らない体温を感じた気がした。
ただ…愛とか恋とかよくわからないけど、
二人がいいと思った。
永遠なんて知らないけど、
この人の隣りにいたいと思った。

目を開けて横を見たら
柔らかな目であたしを映す瞳とぶつかった。


「なぁアンナ」

「なぁに?」

「ただいま」


あぁ、そうか…

「おかえり」

 


END


不明文。
12月あたりの拍手文でした(オイ)
アニメ77廻(っぽいやつ)意識で。