君がいるなら、爪をかむクセほどの煩わしさもないから
−桔梗咲ク丘−
ゆるりと泳ぐ金魚。
焼ける匂いのするお好み焼きの隣には、
不似合いにも杏やらすももやらを透き通る飴で閉じ込めた水飴。
騒ぐ通路は連日続く祭りのためか、確実のその熱気を増していた。
深緑の少し短めの袖から出るオイラの焼けた腕は、
黄色の帯の細腰を『離してなるものか』と主張するかの如くしかと支えていた。
「ねぇ葉、どこ行くの?」
「ん〜〜、まぁついて来いって」
うちわを口元にアンナはオイラを見上げると、
その訝しげな瞳に笑うオイラを映した。
視線を移し屋台を恨めしそうに睨む様は子供のおねだりにも似ていた。
「何だアンナ、まだ拗ねてんのか?」
「だって・・・・」
「仕方ねぇだろ、忙しいんよ。リンゴ飴屋も」
「・・・・・」
「また今度、な?」
腰に回した手をそのままこくんと頷く頭にやり、
そのまま撫でればまとめられた髪からはらりと一筋の髪が落ち、
妙な色気を感じさせた。
くらりとくる眩暈も瓦礫と成り果てそうな理性もぐっと抑えて、
オイラはそのまま足を進める。
そうやってしばらく歩けば人気の無い境内へと辿り着く。
「ちょっと待っててくれな」
「どこ行くの?」
「ちょっとな。すぐ戻ってくっから」
走りアンナの元を離れると、行くまでに見つけたカキ氷屋に飛び込む。
「おっちゃん、これ1つっ」
「あいよ」
ちゃりんと金を渡して冷たいスチロールの容器を受け取り再び走ると、
徐々に人気のなくなるその奥を見た。
そこには古びた濃茶を色に持つ木の廊下に、
どこともつかない方向を見て座る彼女が居た。
「スマンッ。待たせたか?」
はぁはぁと息をする肩を抑えて、
横に首を振るアンナに持っていたカキ氷を差し出す。
「何?コレ」
「リンゴのカキ氷なんよ。さっき見つけて・・・リンゴ飴の代わりな」
「そんな、よかったのに・・・」
申し訳なさそうにカキ氷を受け取ると、
アンナは『ありがとう』と照れ隠しでもするかのようにそれを口に運ぶ。
紅を付けずにも赤い唇が更に色づくのが自然と目を惹く。
「そういえばあんたの・・・」
何か言いかけた最後の数文字も口の中で溶かして、
甘い唇を貪ればそれはリンゴの味がした。
「うん、美味い」
俯くアンナの赤さと白の項のコントラストがあまりにも妖美で、
氷の溶けかかることすら忘れてそのまま襟足へと口付けた。
END
ゆりちゃんへ押し付けv
「縁日夫婦」との季節感たっぷりの素敵リクをもらったのに
果たせなくてごめんなさ〜い!!
一応浴衣で大人な雰囲気目指したのよぅ!
そしたらあらまぁ不思議なことにバカップル路線まっしぐらな後、
いつの間にかそっちの方向へ・・・・。
とりあえず止めました!!(私の妄想)
こんなんでよかったらもらってやって〜>△<
これからもどこまでも憑いてくよ☆(笑)