夏草の濃い香りが鼻を突いて

−君といた夏−

 オイラは洗濯物を干していると、
 上で寝ていたアンナが降りてきた。
 いつもとは違う格好で。

 「お、アンナ、それ」

 「せっかく買ったのだから着ないと服にも失礼だと思ったのよ」

 ふさふさの耳を軽く伏せ、どこか恥ずかしそうに声を出した。

 「すっげぇ似合ってんぞ」

 照れ隠しにアンナは『当然よ』と素っ気無く言い、
 縁側に腰を下ろした。

 「あ、アンナ。昨日買った林檎があるんだが・・・・・」

 「少しだけ、頂くわ」

 『解った』とだけ声を掛け、
 空の洗濯籠を手に台所へと走った。


   *   *   *   *
 

 「ほらアンナ」

 ガラスの器に盛られた林檎は
 夏バテをしてるアンナのためにと、
 冷蔵庫で冷やしておいたものだ。
 ウサギの形をしたそれに
 アンナは爪楊枝を刺すと口に運んだ。
 “しゃり”と軽い音が聞こえた。

 「おいし・・・・」

 軽く尻尾が浮く。

 「そうか?よかった」

 オイラもと一口含んだ林檎は甘酸っぱくて、
 なぜか空を思い起こさせた。
 君といた夏はどこまでも白いものだった。

 

 END

 

 ネコモノの続き〜〜。
 って言うかコレ、ネコじゃなくてもいいじゃん。
 寧ろネコじゃないよ。
 謎文ですみません。
 短くてスミマセン。