知っていた
引き返せないことも
溺れてしまうことも

 


−Last Game−





強く鋭く降る雨がオイラの差す透明なビニール傘に激しい圧力をかける。
息を詰まらせるようなネクタイを緩め、
疲れたから、と似たようなやつらの集まるコンビニで弁当を買った。
そこを出て歩けば光から離れ、
暗がりへと進むと途中にある等間隔に置かれた街灯には虫が群がっていた。
その光に肩を掠め通り過ぎようとしたとき、
消え入りそうな、それでいてはっきりとした声に呼び止められた。

「ねぇ」


周囲には誰もいない。
いつもなら無視するはずなのにその声に魅かれるようにして振り向くと、
そこには雨で身体のラインをくっきりと浮かび上がらせた、
異様な雰囲気を漂わす女が居た。
女は傘も差さず当然のようにずぶ濡れでいる。


「ねぇ、あたしをかわない?」


濡れた唇でゆっくりを確かに女は言った。
眉を寄せるオイラに女は微笑む。
その無邪気ともいえる笑みと白のワンピースから透けて見える華奢な身体に
抑えの利かなくなりそうな違和感を感じた。


「金ならねぇぞ」

「違うわ。あたしの飼い主になって?あたしをペットにしてよ」


クスクスと笑う声が雨に融けて光に照らされる。


「…本気か…?」

「えぇ」

「…」

「どうする?」

「…ついて来いよ」


危険なところに足を踏み入れた気がした。
隣で口に端を持ち上げた女から目を逸らし、
オイラは降り続ける雨を見つめて再び暗がりへと足を進めた。

 

nEXt→

 

テーマ:飼う。ペット。趣味です、趣味・
旦那にはとことん変態&鬼畜でいっていただこうかと思います。
いつものことながら二人ともキャラが全く?違いますのでご注意を。

以前違うところで載せたヤツなのですがこちらに移動。
チョコチョコ修正加えていくかも。
因みにタイトルは未定です。