−滑らかな手−

 

ふらりと寄った薬局でたまたま目に留まった白いチューブを手に取ると、
ふとあの人の手を思い出した。
いつも優しく触れる手が洗濯物に引っかかる様子を見て、
僅かながらも罪悪感を覚えたのは嘘ではない。
手中の『雪国の漁師さん愛用!!』と雪だるまの書かれた
謳い文句のそれを見つめ、
迷うもののその間にも足はレジへと向かっていた。

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ただいま、と暖簾をくぐると声と背中に感じる視線に、
おかえり、と振り返るとアンナ画がこちらをぼうっと見ていた。


「どうした?」

「…別に」


洗い物で濡れた手をエプロンで拭きながら問うと、
はっとしたようにアンナは答え
一拍おいて思い立ったように声を発した。


「ねぇ、これ」


そう言って差し出されたものを
指先が赤くなった手で受け取る。


「ハンドクリーム?」

「カサカサした手で触られるのイヤだからちゃんと治して頂戴」


だったらお前手伝ってくれたって、
と考えが過ぎるも、
綺麗な白い手が荒れることや恥ずかしがりな彼女が
コレをくれたのだと思ったら
そんな不満は身体の奥の奥へと消えていった。


「ありがとな」


というと赤く俯く彼女が可愛くて
その柔らかな髪へと手を延ばした。

 

END

 

季節外れネタ。
ニュートロジーナハンドクリームはよいよ。