−monochrome−

 

 葉がアメリカに行ってしまってから数週間の時が流れた。
 
当初は葉がいなくなってしまったことで、
 
認めたくはないけどあたしは気落ちしていた。
 
だけども、
 いつまでもたまおやまんたに心配もかけていられないし、
 
何よりもあいつの相応しい女になるために、
 
今の自分の気持ちを押し殺してこうして学校へ来ている。
 
授業中、
 前を見れば涎を垂らしながら幸せそうな顔で眠る葉がいて、
 
それを“だらしないわね”と微笑んでいるあたしがいた。
 
今、前を見てもあんたの姿はどこにもない。
 
あたしの視界に色というものがまったく失くなってしまった。
 ただ
 灰色の世界。
 
例えあたしの眼に映ったモノが
 どんなに素敵な人だったとしても、
あたしは何も感じない。
 
認識すらされないモノ。
 
離れてしまってから気づく。
 
離れてしまってから更に強く感じた。
 
あんたがこんなにも大切な存在だったことを。
 
こんなにも、あたしにとって必要だったことを。

 あたしは今、
 屋上で寝転び蒼く乾涸びる(ひからびる)空を見ている。
 ねぇ。
 たまにでいいから、あたしを想い出して。
 逢いたいと小さな溜息を零して。
 側にいて欲しいと肩を落とし、切なくなって。
 そして
 いつか逢えると、この空を見上げて逢いたいと祈って。
 この同じ空の下で・・・・




 END