例えばその安静を壊さずに居る事が・・・・・

 

 −恋愛シンドローム−

 

 「アンナさん、まだ帰ってないの?」

 「おぉ、まだ用事が済んでないみたいなんよ」

 「ふ〜ん、葉くん寂しいでしょ?青森だなんて」

 「へへ、まぁな」

 通学路の途中にある十字路で
 冷やかすような目付きでオイラを見るまん太の言葉に、
 オイラは少し照れ笑いをし、頭を掻いた。
 『飯、食ってくか?』と聞いたら
 『今日は塾があるから・・・』と断られた。
 立ち話をしていた十字路でまん太と別れると、
 程なくして『炎』に着いた。
 鍵を開け戸を開くと乱暴な音が響く。

 「・・・・・」

 靴を脱ぐとそのまま二階へ上がり、自分の部屋の襖を開ける。
 その中にある引きっぱなしの布団の上には、
 先程まん太に青森に居ると言ったはずのアンナが居た。

 「ただいま・・・」

 「・・・おかりえ」

 無気力に投げ出された足は肌蹴た浴衣の裾から伸びている。
 オイラは鞄を放り投げ、アンナを抱きしめた。

 「ねぇ・・・どうしてこうなったのかしら・・・?」

 オイラの部屋にアンナを閉じ込めてから数日が経った。
 時間の感覚などまるで無い。
 ただアンナがここに居ることだけを望み、そうしていた。
 必要最低限のこと意外、部屋の外には出さない。
 満足のいかない、ただそれだけの生活を重ねていた。

 「知らねぇよ、そんなこと。知りたくもねぇ」

 多分オイラは壊れたんだと思いアンナの首筋に強く噛み付た。

 

 END

 

 タイトルは可愛らしいのに中身狂ってんじゃん。
 取りあえずまん太に「飯食ってくか」と聞いたのは確信犯。
 塾の日だって知ってて聞いてます。
 因みにこれ、裏の「タイル」に続きます。