それはとてもやさしい響き
−sky voice−
うだる熱さの中でそう遠くない過去の、
あの人の夢を見た。
優しい風が髪を揺らす仕草が、
まるであの人が髪を梳いていてくれるかのような柔らかな夢。
――――――アンナ。
聞き慣れた大好きな声があたしの名前を呼ぶと、
あたしは自然と目を醒ました。
「夢・・・」
はぁ、と息を吐き出して両手で顔を覆うとほんの少し開いた指の隙間から、
直視するには眩しい光が差し込んできた。
「・・・・・なんなのよ・・」
上掛けを少し強めに握ると大きく息を吸って空気の味を楽しんで、
吐き出しながらもう一度日の照らす布団のに倒れこむ。
「何回目かしら・・・」
葉が旅立ってから何回も葉の夢を見た。
今日も。
でも夢はいつも彼の姿が見える寸前のところで終わってしまう。
瞼をずっと閉じていて、
思考をずっと停止して、
ずっとずっと、
記憶だけで生きていけたなら、
もっともっと遠い先のことも見れそうな気がしているのに。
せめて彼の姿が見れたならどんなにいいことか。
“誰かが夢に出てくるのはその人がお前に『逢いたい』と想っているからだよ”
うつろな意識の中で昔、誰かがそんなことを言っていたのを思い出した。
もしそうだとしたら・・・・・
「あんたもあたしを恋しく想っているのかしら・・・?」
例えば思い出だけで生きていくとしたなら、
最後に残るのか影か、声か。
それとも・・・・。
あたしは再び目を閉じた。
END
かなぁり久々ですなぁ。
でも結構いいのが書けたかと思いますvv
毎度のことながら意見感想ほしいなぁ・・・と(笑)