いっそ消えてしまえればいいのに
−Time Limit−
The first
lesson
午後の最初の授業を終えて教室に戻ると、
予想以上に早かったようで教室には鞄と若干列を乱した机と椅子しかなかった。
「疲れた…」
何周も何周も走らせた体育教師を思い出し癖のように溜息を漏らし、
座ろうと椅子を引くと机上でひらひらと陽に照らされた付箋を見つけた。
『恐山へ
5間終了後生物室まで来るように
麻倉』
休み時間はあと5分しかない。
もう一度手元のメモ書きを見つめ、
今度は本当に思い切り心からの溜息を吐いた。
***
3階の階段の横、職員室の隣の教室。
ガラリとドアを開けると独特の埃っぽいような臭いが鼻をつき、
思わず眉を寄せる。
相変わらず閉められたカーテンからは陽が差し込み、
どことなく薄暗い部屋のそこだけを照らしていた。
「麻倉先生?」
呼ぶと白衣のポケットに手を突っ込み
奥からあたしを呼び出した張本人がゆるゆると足をあたしの前まで運んできた。
「なんでしょうか?あたしそろそろ授業始めるんですけど」
「ん〜恐山今日日直だろ?だから実験、手伝ってもらおうと思ってな」
「そんなものは放課後でも」
「今がいいんよ、今が」
上げられた口角とレンズ越しの笑った眼の奥に不安を感じたときには
既にドアに押し付けられていた。
後頭部に体温を感じ唇に彼のソレが触れると
カチャリと鍵を閉める音が室内に静かに響く。
抱き上げられて近くの黒い机にゆっくりと降ろされ、
ひんやりと身体が冷える感覚と口内を犯される熱のギャップに身体が奮えた。
チャイムの音が聞こえたときやっと離された唇からは、
乱れた息と途切れ途切れ迫力のない言葉が漏れる。
「ちょっ、ここ学、校よっ、授業っ」
「知ってる」
悪びれた様子すら見せない彼の後ろではチャイムが切れ悪く居残り、
ブツッと音を立てたときあたしの頭の片隅では諦めが過ぎった。
その一瞬の緩みを見限ったように彼は素早くリボンを解き、
鳩尾の辺りまで釦を外す。
ふわりと胸を包まれて、
するりとスカートに入れられた手はいつものように温かい。
その温もりに安堵し眼を細めるあたしの耳に校庭から笛の音が届き、
ここがどこであるのかをあたしに気づかせる。
「ダメ…っ!何やってるのっ、」
「あ?実験。お前がどこをどうしたら鳴いて濡れるか」
「な…っ」
「もう諦めろって、アンナ。お前もうこんなんなんだからよ」
二人きりのときだけに呼ばれる名前になぜだか鼻の奥がつん、となる。
多分今ここで、あの言葉を口にしてしまったら抗うこともできなくなる。
脳はダメだと言うのにこの唇は勝手に動いてしまう。
「よう」
有り得ないくらいに冷たいチャイムが互いが触れ合う力を強め、
離れることを拒絶した。
廊下では楽しげな笑い声が聞こえた。
END
ついに書いてしまいました…っ。
教師と生徒。
生物教師ってエロいよね?(何いきなり)
解剖と実験とどちらが卑猥か考えて後者だったので、
生物教師にはどちらかといえば似つかわしくない実験に(笑)
センセ、って……エロい(それしかないのか)
あと一つ教師と生徒で書きたい!!
攻めちゃえよ!麻倉!!(奇妙なハイテンション)