優しく柔らかく
−月の爪−
「どうしたの?コレ」
そうあたしは指でなぞったのは三日月のような傷跡。
汗だくになってほんの少しの日に痩せた葉の背中には、
それが幾つも残る。
「んぉ?・・・・・何って・・お前わからんのか?」
振り返りあたしの指先を横目で見ると、
葉は呆れたような呆気に取られたような顔をしてニヤリを口元を歪めた。
「ふ〜〜ん、わからんのかぁ」
「何よそれ」
見下した葉の態度にムカッと来て自然と口調もキツクなる。
「いんや〜、別に〜」
「・・・ムカつくわ・・」
「まぁ今教えてやっからよ」
耳に届くと同時に背中に伸ばされた腕は素早くチャックを下げ、
あたしと葉の間に流れていた湿っぽい空気も姿を失くし、
あたしの背中には痛みが走った。
「いたっ」
抗議をしようと目をキツク顔を上げると企む目をぶつかる。
――――あぁ・・そういう事・・・
目を逸らしあたしはするりと葉の首に腕を回すと、
もう一つだけ傷跡を増やした。
END
フリーです。
爪跡は妙にいやらしいと思う(笑)