−wish−
本日十二月二十五日、
ここ民宿『炎』ではクリスマスパーティーが行われている。
煩いことが嫌いなアンナに必死で許可を求め、
ようやく開かれたパーティー。
で、そこには当然いつものメンバー。
パーティーが始まる前から『煩い!』と
アンナに何度殴られたのか分からないホロホロが、
またアンナに殴られる。
「まったく貴様は学習能力というものがないのか」
「あぁ!?何だと!!」
呆れ顔で溜息をつ蓮とホロホロが喧嘩を始める。
そんなことやってっとまたアンナに怒られるぞ。
「ったく、あんたたちいい加減にしなさい!!」
あぁ、また。
本当に懲りねぇヤツらだなぁ。
アンナのビンタによって喧嘩も収められ、
アンナは再びオイラの作った料理を食べ始めた。
「美味いか、アンナ?」
「まぁまぁね。」
アンナのとっての褒め言葉を貰いオイラの顔は思わず緩む。
ほかの誰でもない
我が愛しの嫁のために作った料理に向き直り、
その嫁が褒めてくれたその味を口の中に放り込む。
アンナが褒めてくれたとおり、
今回の料理はどれも上出来だった。
“普段からこれくらい作れればいいんだが”
とオイラは苦笑いする。
* * * *
パーティーも中盤に差し掛かったころ、
オイラの淹れた茶を飲み終えたアンナが立ち上がった。
「どこいくんよ、アンナ?」
「部屋に戻るのよ。」
そういい残し、アンナは居間を出て行った。
む〜〜〜、つまらん。
ガキみてぇだがあんなが居ないとつまらないんよ。
ということで一通り食事も終わったし、
オイラはアンナの部屋に行くべく立ち上がった。
「葉どこ行くんだよ?」
「アンナさんのとこ?」
「おぉ、まぁな。」
「ったくお前の嫁バカぶりには呆れるぜ。」
呆れたように溜息をつくホロホロに
賛同するかのような顔をするまん太と蓮。
「ウェッヘッへvあっ、たまお。後片付け頼んでいいか?」
「はい、お任せ下さい。」
「わりぃな」
オイラはたまおに片づけを頼み、
皆の冷やかす声を背に受けながらアンナの部屋へと向かった。
「アンナ〜、入るぞ。」
とりあえずノックをしドアを開けると、
窓辺に座り雪の降る空を見ているアンナがいた。
「何か用?」
アンナはオイラの声に視線を空からオイラに移す。
電気も点いていない部屋の中には月明かりが射し込んでいる。
そしてその月明かりはアンナを照らし、
照らされたアンナは白く強調されて見えた。
そこだけがまるで一つの絵のようだった。
「葉?」
オイラはアンナの声に我に帰ると、
アンナの近くへ歩み寄った。
「イヤ、疲れたんじゃねぇかなって思ってよ。」
「あぁ、平気よ。」
平気というアンナだが、
その顔には僅かながらも疲れの色が見えてとれた。
「あんまり無理すんなよ。」
「わかってるわよ。」
少し苛立ったように答えるアンナにオイラは苦笑いし、
思い出したようにパーカーのポケットから
綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出した。
「アンナ、これ・・・」
「何これ?」
「オイラからのプレゼント。」
アンナはキョトンとした顔で
オイラからのプレゼントを受け取る。
「開けてもいい?」
「おう。」
シュルッという音がして赤いリボンが解かれる。
そしてラッピングを解いた箱を開けると
そこにあるのは小さな指輪。
「葉、これ・・・」
「本当の婚約指輪じゃねぇけどな。」
オイラはアンナの手にしている箱から指輪を取ると、
その指輪をアンナの左手の薬指に付けてやる。
「もう少ししたら本物をプレゼントできるから、
それまでしといてくれよ。」
目を見開きオイラのやった指輪を見るアンナに
オイラは微笑んだ。
「ありがと。」
アンナは頬に薄っすらと色をつけて、オイラに微笑み返した。
「でもあたし何も用意してないわ。」
「別にいいんよ。」
「でも・・・」
「んじゃあ、オイラの我儘を一つだけ聞いてくれるか?」
「わかったわ。」
オイラはアンナの耳元に顔を寄せ、その我儘を言う。
「何それ、そんなの我儘でもなんでもないわ。」
アンナは嬉しそうに笑うとオイラに抱きついてきた。
「そうか?オイラの一番の我儘なんだが。」
「でもまぁ、あんたらしいわ。」
アンナの声に深い安堵を覚えながら、
オイラはぎゅっとアンナを抱き締めた。
この我儘はこれから一生、
絶対に失うことはないと確信しながら。
ただただ
「オイラだけを愛し続けてください。」
END
はい、クリスマス近しと言うことで25日までフリーです。
誰か貰ってやってください;;
突っ込みどころ満載ですが気にしないでくださいませvv
感想など下さると嬉しいですvvv
友に見せたら「砂吐きそう」とのこと。
そんなに甘いかなぁ?