離さないでよ
これから自由になるつもりなんだから


−you−

「寒…っ」


身を震わせて呟いた言葉を形にするようにして冬の寒さが息を白く染めた。
赤く、冷たい熱を持つようにじんじんとする指先に、
『はぁ…』と息をかけ指先を擦り合わせると、
右腕にかけた買い物袋がガサリと少し大きな音を立てる。

手作りの 忘れてしまった手袋は玄関だろうか?

深い緑色を思い出して、今度は大きく息を吐いた。
しんしんと降り積もっていく雪が息をかけた指先に浸透し
それを再び冷たくさせる。

いつだったか、
ブラウン管の中にある銀世界を見てアンナは呟いた。

『懐かしいわ』


って。
オイラにも聞こえるか聞こえないかってくらいの声で。
『寂しいか?』
って聞いたら少し目を丸くして
『別に寂しくなんてないけれども…』
とその先は吐息となって消えていた。

“雪が降ったら散歩にでも行こう”
と言った約束を思い出した。
今度は冷えないように手を繋いで。
そしてこの死んだような手は彼女に触れればやがて息を吹き返す。
そんなことを思ってオイラは深く深く、足跡を残した。

 

END

 

発掘しました 笑
upしてないよ、ね…??