溶け合いそうな肌の色が、熱く、薫った


−夢追人−


夢なんじゃないかって思った。
自分の腕の中で高い声を上げながら、
壊れかけたおもちゃみたいに
『もっともっと』
って求めてくるアンナを自分勝手に幾度となく揺さぶっていた。
それでも不満の音を少しも上げないアンナに
幻を見ているようだったのかもしれない。


軽く触れるだけのキスをするとどちらともなく吐息が漏れて、
充血した眼が欲情を煽った。
ポタリと何の迷いもなく落ちた汗は畳に染みを作る。
胸の頂を弾くようにして熱の篭る舌で触れると、
抱え込むようにしてアンナは
オイラの湿った黒髪をくしゃり、と握り締めた。

「よ、葉っ」

「あ?」

「もっと、もっと強く、抱い、て・・・っ」

「あぁ・・・」

言われた通り肺が潰れそうになるくらいにキツく抱きしめ、
額や頬や首筋、至る所に唇と舌を這わせると満足そうに歪む唇が見え、
それが余りにも浅ましい気がしてオイラは軽く嘲笑した。

「なぁ、なんかさ、お前おもちゃみてぇだな」

「んっ、え・・・?何、がぁっ」

「こうするだけしか知らない、オイラだけのおもちゃみてぇだ・・・」

アンナの細いしなやかな腕を掴み上体を引き起こし、
重たく揺れる飴色の髪を撫でながら、
自然と唇を合わせる。
どちらの口内かもわからぬ場所で狂ったように舌を絡ませると、
唇を伝い顎を伝って腿を掠り
混ざった唾液がシーツに染みを作り、
後に残った透明な雫が幽かに灯る豆電球に照らされてキラリと光った。

「してくれよ・・・」

眼と眼を合わせるとアンナは無言で、
主張するオイラの性器へと手を伸ばし、
先走った液体をその赤い舌で舐め取ると、
オイラはただそれだけでも熱く張り詰めた皮膚が更にそうなることに、
全てが奮えた。
淫靡な音を立ててソレを飲み込むアンナの口は柔らかくて温かい。
小さな頭を掴み腰を振り、
時々犬歯に引っかかる感じを楽しんで恍惚の溜息を漏らす。

「はぁ・・・いいぞ、アンナ」

「んッ・・・ふぅ、ん」

「お前、うまくなったよな・・・」

先端が柔らかな粘膜の奥にある骨を感じたとき、
予告もなしにアンナの咽喉の奥で射精した。
噎せ返るようにして咳込み喘鳴を立てるアンナの口の端からは
飲みきれなかった精液が垂れ、
オイラはそれを指で掬い未だ息を荒くする口内に突っ込んだ。

「あーぁ、もったいねぇなぁ。なぁ舐めろよ」

言葉も言えない嫁の舌にそれを擦り付けそのままキスをすると、
ぬめりとした感触と苦味が一気に口内に広がる。

「変な味・・・」

「あん、たのよ・・・っ。で、出るならっ言って、よっ」

「ん、あぁスマン」

ただの生返事をすると再びアンナを押し倒した。
大した愛撫もしてないのにその中は十分過ぎるほどに蜜で溢れかえっていて、
もう既に男を迎え入れる準備は整っていた。
脚を大きく開かせ何度かそこで、
再び息を吹き返したような性器を擦り合わせると
耳元で雑音の混じる吐息が聞こえた。

「別に、いいわ・・・」

「何がだ?」

「おもちゃでも、別に・・あんたのなら」

「・・・そっか」

なぜだか熱くなった瞼の裏を顎を軽く舐め首筋に吸い付くことで振り切り、
そのまま一気に突っ込み激しく揺さぶりをかけると
それに合わせて鳴く高い声が厭に心地よかった。
絡みつく粘膜の熱さに肌のぶつかり合う乾いた音、
セックス独特の匂いが脳を刺激して有り得ないくらいの快楽が
互いの呼吸と脈を速めた。
痙攣を繰り返すアンナの粘膜が今までにない強さで性器を締め付けたその圧に、
オイラは何度目かもわからない射精感に襲われてソレを吐き出した。

 

外では風の音が息の根を止めた。

 

 

END

 

テーマ:玩具。
嫁自身が玩具ってことで(爆)
てか玩具って平仮名より漢字のほうがエロいよね。
因みにタイトル。
ユメオイビト、若しくはムツイビトで。
私的には前者の方が好き。