そんなに優しくしないで
 辛くなってしまうから

 

 

 −Beautiful World−

 

 

 暗闇で一人の男を見た。
 魅せられるようにして惹かれていくと、
 徐々にその姿がはっきりと浮かんでくる。
 白い烏帽子を被った懐かしい姿。

 

 ――――あぁ・・・・

 

 背丈が大きく違うその目を見つめると、
 ふと向こうの表情が自嘲気味に緩んだ。

 

 『こちらの方へ来ないか?』

 

 僕は何も言わない。
 堅く口を閉ざす。
 少しの沈黙の後にボクは口を開いた。

 

 『・・・・ヒトを・・・ヒトを憎いとは思わぬか?』

 

 「・・・お前はいつまでそうしているつもりなんだ?」

 

 この世界で初めて出した声は、
 思っていたよりも強く空間に響いた。

 

 「僕は・・・・必死になって這い上がろうとしている。
 例え何かに手が届くことがなくても。
 ・・・・・お前はいつまでそうしているつもりなんだ?」

 

 最後のほうは声が震えていた。
 恐怖でも怯えでもない何かが込み上げてきていた。
 ボクが何か口を象ったとき、僕は急な突風に吹かれた。

 

 

 目を覚ました僕は
 あのときの優しい温もりの虚像を追うかのように
 このうでは我が身をきつく抱き締めた。

 

 

 END

 

 Y.ver A.ver 

 

 一番悩んだ★。
 結構前にできてたんだけどupする機会
 ・・・・ってか忘れてた(爆)
 とりあえずこれも終了〜。